結婚式場・披露宴会場利用契約の解約トラブル
式場を解約すると高額のキャンセル料の請求がきた・・・
 
 結婚式場・披露宴会場の利用を申し込んで契約していたが、挙式予定日の1カ月前に解約することになった。すると、見積金額の90%をキャンセル料として請求すると言われた。実際に式・披露宴を行っていないのに高額のキャンセル料を払わなければならないなんて納得できません。このような高額なキャンセル料の請求は有効なのでしょうか?
 多くの場合、結婚式場・披露宴会場の利用契約については、約款が定められ、キャンセル料についてもその中に規定があり、事業者はそのような約款のキャンセル料規定にもとづいてキャンセル料の請求を行っています。
 しかし、規定されたキャンセル料が高額で当該事業者に生じる「平均的な損害の額」を超えるような場合には、消費者契約法9条1号により無効となります。
 「平均的な損害の額」を超える場合とはどのような場合でしょうか?
 約款に定められたキャンセル料の算出については、各事業者からその根拠が開示されておらず、「平均的な損害」の具体的な金額については消費者にとっては不明な場合がほとんどです。
  裁判例としては、挙式予定日から1年以上前に解約した場合に、予約金10万円の返還を認めない条項を無効としたケースがあります。(東京地判平成17.9.9)。この裁判例によれば1年以上前に解約した場合のキャンセル料については、基本的には「平均的な損害の額」を超えることとなると考えられます。

 また、事業者団体である(社)日本ブライダル事業振興協会では「結婚式場・披露宴会場におけるモデル約款」(同協会のHPで閲覧できます)を作成しており、このモデル約款に定められたキャンセル料条項よりも高額な定めについては「平均的な損害の額」を超えるものと解される場合が多いと思われます。

 ただし、モデル約款に定められたキャンセル料条項についても、なお、「平均的な損害の額」を超える高額な部分が含まれていると考えられますので、モデル約款のとおりのキャンセル料条項であるからといって当然に有効なものとなるわけではありません。この点については、当団体からモデル約款に準じてキャンセル料条項を定めている事業者に対して、キャンセル料条項の使用差止を求める訴訟を提訴し、その有効性を争っています。
ペットショップトラブル
知らずに病気の犬を買ってしまったら・・・
病気であると知らずに病気の犬を買ったとき、業者の契約書に「ペットは生き物ですので現状で販売し、返品、引き取り(契約の解除、白紙化)、交換、損害賠償はできません」とする条項があった場合、ペットショップに対し、損害賠償請求はできないのですか?
           か し
 民法では、商品に瑕疵(通常有すべき性能、性質を有していないこと。キズや欠陥など)があった場合、損害賠償請求や契約の解除ができます。(瑕疵担保責任、570条、566条)
 この契約書には返品や引き取りができない、損害賠償請求できないと書かれており、売主としての損害賠償責任を全面的に免除している規定になっています。消費者契約法8条1項5号では、瑕疵担保責任の損害賠償を全面的に免除する規定は無効です。したがって、この業者の責任を免除する契約条項は無効です。よって、買った当初から病気にかかっている場合には、民法の原則にもどって、消費者はペットショップに対して損害賠償を請求できます。
記に加えて、「犬が引渡時に不治の病にかかっており、引渡後2週間で死亡した場合には、同種、同等、同類の代犬をお渡しします。」との条項があった場合には、損害賠償請求はできますか?
消費者契約法8条2項1号は、事業者が瑕疵(キズや欠陥)のない物(この場合は健康な犬)と代えるという場合には、瑕疵担保責任に基づく損害賠償責任を免除することも許されるとしています。消費者が瑕疵のない物を受け取れば損害賠償請求する必要はないとの趣旨です。
 Q2では、代わりの犬を引き渡すことになっているので、損害賠償責任を免除することも許されるのか、が問題となります。特に期間を限定していなければ、まさに同号にあたり、損害賠償の制限をすることは許されそうです。しかし、ペットは単なる「物」と異なり、特別の愛情を伴うことが通常です。このようなペットの特殊性を考えれば、他のペットで代替できない場合があると考えられます。同号にストレートにはあてはまらないと考えられます。よって、代犬では満足できない場合、損害賠償を請求することも可能であるといえるでしょう。
 さらにQ2は、代犬を引き渡す場合を、ペットの引渡後2週間で死亡した場合に限定しています。瑕疵担保責任は、瑕疵を知ったときから1年間責任追及をすることができます。(民法566条)特に引渡後、瑕疵による損害発生までの期間に制限を加えていません。にもかかわらず、この期間を2週間と短くしており、消費者に瑕疵担保責任に代わる請求権を保障したことにならず、同号の条件を満たしているとは言えません。よって、消費者はペットショップに対して損害賠償を請求することが可能です。
 また消費者契約法10条は、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものを無効としています。瑕疵担保責任に変わる責任追及の要件を引渡後2週間での死亡という極端に限定された要件にするのは、同条に反するものともいえます。
契約書に「但し、犬の診察は売主の指定する獣医で診察を受けていただくことを条件とします」との条項があり、指定獣医で診察を受けなかった場合に、損害賠償請求はできないのでしょうか?
ペットショップ指定の獣医の診察がなければ損害賠償を請求できないかが問題となります。病名や死因が判り、ペットが不治の病にかかっていたことが明らかであれば特定の獣医の診察を要件とする必要はないはずです。消費者に特定の獣医での診察という義務を課するもので、消費者にとって不合理な規定であるといえます。Q3の条項は消費者契約法10条、信義誠実の原則に反して消費者の利益を一方的に害する条項として無効と解されます。したがって、消費者は、ペットショップ指定の獣医の診察を受けなくても、購入当初から犬が不治の病であったことを証明できれば損害賠償を請求できると解されます。

 ペットショップトラブル
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移動販売のあっと驚き「物干し竿の価格の変身!」
軽トラックから「竿竹1本2000円、古い竿を回収します。」と聞こえてきたので、呼び止めたら・・・
軽トラックから拡声器で「竿竹1本2000円、古い竿を回収します」という声が聞こえてきた。新しい物干し竿がほしいと思っていたのと、不要な竿を回収してくれるなら買いたいと思って車を呼び止めた。「3本欲しい」と言うと「この中から選べ」と言われ3本選んだ。業者は「寸法を合わせて切りそろえてあげる」というので切ってもらうと、6万円請求された。「1本2000円と聞いた。話が違うから要らない」と断ると「あなたが選んだのは1本2万円だ。寸法に合わせ切ってしまったから買ってもらわないと困る」とすごまれ「そんな大金は無い」と大声を出したら家から息子が出てきて、業者に「1本2000円と拡声器で言っていたのを私も聞いていた。納得できないから払えない」と交渉した。業者は「1万5000円でよい」と言うので支払った。
このケースでは親子2人が「1本2000円と聞いた」と若い息子ががんばって10倍の支払いは免れたものの、それでも高いものを買わされています。
 竹竿は店で購入して持ち帰りが困難なことと、使い古した竿の始末が必要なことから、中高齢者の被害が多く見られます。
 1本2000円と表示したものを2000円で購入した場合は自ら呼び止めての購入であり、特定商取引法のクーリング・オフの適用はありませんが、10倍の価格の違う商品を販売した時点で特定商取引法のアポイントメントセールスにあたると考えられます。クーリング・オフによる解除ができます。しかし領収書をわたさず急いでその場を去っていくので、業者に連絡がつかず被害回復ができません。領収書をわたされていても、業者の住所、電話番号などの記載がないなど書面不備がほとんどです。そのため、実際にクーリング・オフが実行できないこともあります。
 最近では伸縮できて持ち運び可能な商品が1500円から5000円くらいで販売されています。平成19年9月7日大阪府警が「イチキュッパ」といって1980円と思い込ませて10倍の1万9800円を脅して請求した業者を特定商取引法の「契約時の威迫」で逮捕しています。
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浄水器の訪問販売
浄水器フィルターの点検をしてもらったら、新しい浄水器をすすめられ・・・
自宅に「浄水器フィルターの点検に伺います」と言う電話があったので、翌日来てもらった。業者は浄水器を点検していたが、フィルターがだめになっており、フィルター交換が10年間不要な機種があると言って新しい浄水器を勧めた。既に浄水器を設置していたが、フィルター交換のたびに費用がかかることを思い、勧められた浄水器を契約することにしたが、30万円もする。クレジットでは金利が高いと言うことだったので、現金で1万円払い、3日後残金を取りに来ることになった。業者が帰ってから、高額な買い物をしたことを後悔した。下取りすると業者が持っていった浄水器は大手メーカー品でまだ1年しか使っていなかった。契約を取り消して、元の浄水器を返してほしい。
最近、浄水器を持っているご家庭が多いので、業者は点検と言って訪問してくるようです。消費者は自分の持っている浄水器の会社の人が点検に来ると思ったり、公的機関が検査にくると誤解している場合が多く、この訪問販売業者が消費者宅に入り込む手口となっています。このような「点検商法」は消火器販売でも見られます。上記の相談では、クーリング・オフ期間中でしたので、クーリング・オフのハガキを書いて無条件で解約でき、前の浄水器と既払いの1万円を取り戻すことができました。した。万一、クーリング・オフ期間が過ぎていても、業者が嘘を言って販売している可能性が高いので、消費者契約法の不実告知を理由に取り消すことも考えられます。不当な販売に気がついたら、できるだけ早く消費者センターに相談しましょう。
中古車契約
高価買収、無料査定のはずが・・
無料査定を受けるつもりで、中古車の買取業者を自宅に呼んだ。売却理由を聞かれ、乗り換えと答えると、別の中古車を勧められたが、希望の車ではなかったので断った。しかし、車種やグレード、ボディー色を次々に聞かれ、言われるままに答えていると、希望の条件の車をオークションなどで落札することもできると言われ、契約した。翌日、解約を申し出ると、高額の解約料を請求された。翌日の解約なのに高額であり、納得できない。
中古車は新車とは異なり、一台ごとに価格も品質もまるで違う商品です。消費者が品質や機能を即座に判断することは難しく、また実際に車両の状態を確認しないで、契約したことからトラブルになるケースがよくあります。
 乗用自動車は、よく検討してから購入する商品と考えられており、特定商取引法及び割賦販売法のクーリング・オフの適用除外商品になっていますが、契約成立前であれば契約の申し込みの撤回ができます。
中古車契約の被害救済
■契約の成立時期
○業界団体加盟業者の場合
 標準約款は、「契約の成立日は自動車の登録がなされた日、注文により販売会社が修理・改造・架装等に着手した日、若しくは自動車の引渡しがなされた日のいずれか早い日」とされています。よって、消費者が注文書に署名・押印した段階では、契約は成立していないので、契約の申し込みを撤回(やめる)ことができます。しかし、約款では、契約の申し込みをやめたことによって業者に損害が生じた場合には、通常生じる損害に限り、損害賠償請求できるとしています。通常生じる損害とは、車庫証明申請の実費などであり、登録に必要な書類が未提出の場合には、業者に損害が生じているとは考えにくいと思われますので、金銭負担なしで解約できます。
(注)標準約款の考え方を採用しているのは、日本自動車販売協会連合会(自販連)、日本中古自動車販売協会連合会(中販連)、日本自動車輸入組合です。
○業界標準約款を採用していない業者の場合
 解約料の請求金額の根拠を書面で提出してもらい、契約の成立の時期はいつか、どういう実損が発生しているのか、納得できる内容であるかを確認しましょう。
 なお、消費者契約法では、業者が契約解除の際に、消費者に高額の損害賠償や違約金を請求できるとの約款を定めている場合でも、当該業者に生じる平均的な損害の額を超える部分の契約条項は無効であると定められています。あきらめずに最寄の消費者センターに相談しましょう。
■取消
 勧誘時に、自宅に訪れた事業者に帰ってくれと言ったにもかかわらず、帰らずに(不退去)、困惑して契約した場合や、事業者が品質・内容について事実と反することを告げ、消費者が誤認して契約した場合、事業者が故意に不利益事実を告げずに消費者が誤認して契約した場合には、消費者契約法で取消できます。不退去や困惑があったかどうかは具体的な事情によります。
<アドバイス>
 中古車は商品ごとに特性の違うものであることを念頭に置き、事前に希望する車の情報をできる限り収集し、あせって契約をしない。契約する前に、業界団体に加盟している業者か確認する。また、業者のセールストークを鵜呑みにせず、慎重に判断をしましょう。